レシピ

 {清盛鍋の作り方と諸注意}


1:厳島周辺で獲れた瀬戸内の新鮮な魚介類と京野菜を大鍋(専用の風呂型巨大石鍋)に入れる。

 (魚介・野菜の種類はお好みですが、スズキは、必ず入れてください。

  スズキだけは伊勢湾産を使用し、なるべく大きなモノを生きたまま投げ入れるのが、

  古来よりの正式な作法です)


2:比叡山の千手井の水に宋の国から輸入した味噌を溶いて味を調えたダシ汁を張る。


3:ここに、熱病で苦しむ入道相国を放り込む。

 (入道相国は大変熱くなっているので、素手で取り扱おうとすると、調理手が死にます。

  棍棒や薙刀の柄などで、つついて転がし、板に乗せ、板が燃え尽きる前に、速やかに

  鍋に入れましょう。入れた瞬間に沸騰しますので、くれぐれも注意して下さい)


4:入道相国を鍋に入れたら、すぐ具材は煮上がりますので、もう食べられます。

  熱いので、ヤケドに気を付けましょう。


5:入道相国は何回も使えますが、八条二位殿が「火車が見える」と口走った時が、賞味期限です。


6:老醜と源頼朝への憎悪が鼻を刺すため、あまり美味しくありません。


(参考文献)『平家物語』巻一「鱸」・巻六「入道逝去」。


(2008/08/27掲載)