『徒然草』百五十三段「為兼大納言入道」
[原文]
為兼大納言入道召し捕られて、武士どもうち圍みて、六波羅へ率て行きければ、資朝卿、一条わたりにてこれを見て、「あな羨まし。世にあらん思ひ出、かくこそあらまほしけれ」とぞ言はれける。
[現代語訳]
(京極)為兼大納言入道が召し捕られて、武士どもに取り囲まれながら、六波羅へ連行されて行った時、(日野)資朝卿が、一条の近辺でこの様子を見て、
「ああ、羨ましい。せっかくこの世に生まれたんだから、あんなふうでありたいもんだ」
と言われた。
[コメント]
有名な話であるが、やはりカッコ良いものは、カッコ良い。
(2009/02/07掲載)